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ボカシ肥料づくり

  • バク
  • 2017年1月10日
  • 読了時間: 4分

今回はボカシ肥料と言うものをご紹介します。

まず肥料には大きく分けて2種類のものがあります。

①化成肥料

②有機肥料

化成肥料は植物の生育に必要な窒素、カリ、リンを科学的に固めたもので即効性が強い肥料です。

有機肥料は動物のフンや植物からできていて、微生物や菌に分解されることで肥料になります。ですので、即効性はなく緩やかに効き目がでます。

ボカシ肥料は②有機肥料を工夫して肥料の即効性や効き目を良くした肥料のことで、有機肥料を発酵させてつくります。有機物発酵分解済み肥料と名付けた方が分かりやすいかもしれません。

では具体的につくり方を見ていきましょう。

まず、この写真は以前イチゴの元肥として使った菜種の油粕をコンポストに入れていたものです。

落ち葉や、畑の雑草等もゴミ箱に捨てる感覚で随時放り込んでいました。

この段階でも崩すと中から湯気が立っていました。20度くらいで微妙に発酵していたのだと思われます。

次に落ち葉です。近くの公園から拾ってきました。

次の写真は落ち葉を拡大してみたものです。白い菌糸などが張り巡らされているのがお分かり頂けるでしょうか。

この菌達が発酵において活躍してくれるので、積極的にこうなっている部分を集めました。

これは完全にオリジナルで僕の思いつきなので、吉と出るか凶と出るかは解りません。もしかしたら植物生育に悪い菌がいて、そちらが繁殖してしまうかもしれないからです。

次に菌達の大好物である米ぬかです。

今回の材料は①腐葉土化しつつある落ち葉②菜種の油粕③米ぬかの三つです。これ以外に④畑の土も少量加えています。割合で言うと①3:②3:③2.5:④1.5ぐらいでしょうか。かなり大体です。

これ以外にももみ殻や藁、アブラナ科の植物の残渣などが良く使われるようです。

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この分量には理由があります。少し理屈の話になりますが、備忘録として書き残しとくことにします。

①腐葉土化しつつある落ち葉

 これは前にも書いたとおり発酵菌として取り入れました。一般的にはホームセンターなどで菌の塊が売っているので、それを使います。

 また、ただの落ち葉も多く混ざっています。これによって土の中に隙間ができることも狙っています。発酵には水と同じくらい酸素が欠かせません。

②菜種の油粕

 これは余っていたから使うと言うこともありますが、アブラナ科の優秀な堆肥だからという理由があります。

③米ぬか

 微生物の大好物で発酵を促進させてくれます。また、米ぬか自体も栄養分豊富で優秀な堆肥です

そしてここで、肥料分を材料別で2種類に分ける考え方をご紹介します。

②菜種の油粕の肥料成分である硝酸態窒素

③米ぬかの肥料成分であるアンモニア態窒素

上の科学名では覚えにくいので、双子葉類由来か、単子葉類由来かと考えると解りやすいかもしれません。

ポイントは双子葉類由来の窒素は双子葉類の植物に、単子葉類由来の窒素は単子葉類により効果があると言うことです。

※これ以外にも様々なミネラル分が肥料として必要です。クヌギや桜などの腐葉土には多くのミネラルが少しずつ含まれています。リンやカリ成分も重要で、骨粉やカキガラなども適時必要です。

つまり、このボカシ肥料はどちらもバランスよく配合した万能肥料と言うことになります。

そして、双子葉類由来の窒素成分のみを双子葉類の植物に施すよりもこのボカシ肥料の方が効果があるという研究結果もあるようです。

なんでも偏ることは良くないということなのかもしれません。

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以上理屈のお話でした。理屈は実践して初めて意味をもちます。はたしてこのボカシ肥料がうまくいくのかはお楽しみです。

話をボカシ肥料づくりに戻します。

上記の材料に水を加えながら混ぜていきます。水分量も重要ですがかなりアバウトに全体的にしっかり湿るくらいで混ぜました。滴ってもいけませんし、パサパサでもいけません。「しっかり湿るくらい」がポイントです。

これで混ぜ込み完了です。

これをコンポストに入れていきます。

ふたをして完了です。

発酵中は60度近くまで内部温度が上がります。

夏場であれば10日、冬場であれば30日くらいで発酵が落ち着き、温度も下がってくるそうです。

満遍なく発酵させるために途中一度切り返し(混ぜ直し)を行わなければいけません。

発酵が落ち着けば完成で半年以上はそのまま保存がきくそうです。結果は1ヶ月後ぐらいに報告させていただきます。

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