ジャガイモのお話~前編~
- バク
- 2017年2月21日
- 読了時間: 6分
ジャガイモの栽培について、前編後編の二回シリーズでお届けします。
※このレポートは文字多め(途中から写真多め)になってしまいましたこと、あらかじめご了承ください。
前編の今回はジャガイモを育てるための土づくりと栽培方法についてです。
※この前編レポート終わりに畝の作り方と今のイチゴについても書いています。
後編ではジャガイモの品種のお話と、実際の植え付け方についてです。
6月頃梅雨入り前には収穫のお話もレポートする予定です。
さて、まずジャガイモを育てるための土づくりについて、どうやらこれはあっていると感じる定説を5点書きます。
・土はアルカリ性が好ましいが、アルカリ性が強すぎるとそうか病になるので石灰の撒きすぎに注意する。
・痩せた土でも育つ。
・元々乾燥した気候の植物であり、水を好まない。大雨で根腐れする
・一つの種イモからの眼の数が少ない方が大きな芋が育つ。(数は減る。)
・新芽が遅霜にあたると枯れる。
これ以外にも定説とされていることがたくさんありますが、その中には全く逆の意見もよくあります。その他諸説は結局自分で体験してみていくほかないと思いますので、その参考にしていただければという内容も書かせて頂きます。
まず完成した畝の写真です。

今回注目してほしいのは、じゃがいもの畝づくりや栽培方法が正しいかではなく、自分がどういう方針で育てたいかということです。
まず、よくある賛否両論が肥料の量です。
このレポートの最初に書かせてもらいましたが、肥料がなくても育つ、というのは事実だと思います。しかし、より多くの良い芋をとるための肥料について、どうしたらいいのかと言うことは賛否両論です。
●12月発売の雑誌、野菜だよりによりますと「低栄養がおいしいジャガイモを作る。」と紹介されています。栄養を与えると肥大化するが中身が空洞化したり、味が落ちることがあるそうです。
●NHK野菜の時間の講師藤田智さんは株間に肥料をひとつかみ置いていく方法を紹介しています。初期生育が促されて良いジャガイモになるそうです。
●植え付けるジャガイモの直下に、土を挟んで元肥を入れると良いと紹介しているWEBサイトもあります。
●成育が良くない場合は土寄せをするたびにあわせて追肥をした方がいいと書いている記事も見たことがあります。
今回、僕は肥料なしと株間にボカシ肥料を置く方法を比べようと思います。これは後編の実際の植え付けで写真と共に紹介させてもらいます。結果は収穫の時にレポートします。
次に畝の形についてですが、これは土質と育てる方針で正反対の作り方になります。
●従来の寄せ土栽培方法
ジャガイモについてよく勘違いされることに、芋ができる位置があります。根っこから生えていると思っていませんか?実は茎から生えるのです。ですので地表に芋が出てきます。
地表に出た芋は緑化して食べられなくなります。お腹を壊すそうです。ですので茎の成長に合わせて2~3回寄せ土を行いながら育てます。
寄せ土をすると畝が高くなるので、最初のうちは低くすることが多いようです。寄せ土が面倒くさくて回数を減らしたい場合は寄せ土の分の土を盛った高畝にする方法もあるようです。収穫量は少し減りますが、手間を考えてこの方法を採用されている方もいらっしゃいます。
高畝にもメリットがあります。それは排水性が向上することで大雨による根腐れのリスクを減らすことができると言う点です。排水性がいいことで芋が上質になる効果も期待できます。
●はやりの黒マルチ栽培法について
名前の通り黒マルチをして育てます。利点は①遅霜に影響されにくい。②土寄せが不要。黒マルチに隠れた芋は緑化しません。③芽吹く頃の地温があがり初期生育が促される。④芋は地表に近い方が大きい芋ができやすいので多収になる。等々いいことばかりのようです。欠点は①地温が上がりすぎて芋がダメになることがある。(春先なのに夏日がある昨今です。)②追肥ができないこと。です。
肥料をやらない方がおいし芋ができることを信じるとすれば、追肥はいらないのでこの方法が優秀に感じます。
黒マルチ栽培法の場合、超浅植えで逆さ植えが最新の栽培方法です。様々なところで紹介されているので詳細は割愛します。
今回、僕は黒マルチ栽培法でやろうと思います。ただ、違うのは高畝で深植えであるという点。
理由は①土質が排水性が悪い粘土質だから。②株間に肥料を置く場合と置かない場合の違いについて実験したいから。③芋掘りがしたいから。の3点です。浅植えの場合は黒マルチを剥がすとそこに芋があるそうで芋掘りではなく芋拾いになるそうです。何か味気ない気がしてしまいますよね。
排水性の観点から堆肥にもみ殻を選びました。この一袋約30ℓで250円です。地域の農業直売所で購入しました。

撒いては鋤き込みを繰り返します。

先ほども書いたように今回は約30cmの超高畝です。高く土を持ったら角材やパイプなどで表面をならし形を整えます。黒マルチを貼る場合はピシッと貼る必要があるので畝を綺麗に成型する必要があります。

そういえば心土破砕についての効果も今回は重要な実験ポイントです。
植物を育てるうえで植物が育つことができる作土層が深いにこしたことはないと思います。ただこの心土破砕と言うのが結構な重労働です。効果が薄いのであればやるだけ無駄かもしれません。

一般的にはウリ科は根が浅く、ナス科、アブラナ科は根が深い傾向にあります。特に深いのがナス、トマト、カボチャ、オクラ、ダイコン、ゴボウ、ナガイモなどです。今後、これらの栽培のときには心土破砕の効果を検証していこうと思います。
ジャガイモはナス科ですが残念ながら根っこはかなり浅いようです。それでも心土破砕は効果があるのか!?これも実験です。収穫の時期にレポートします。
話はそれますが、今日の相棒はこの鳥、ハクセキレイでした。土を耕すと必ず野鳥が飛んできて周りを飛び回っています。カナブンの幼虫を4つプレゼントしました。

さて、完成した畝の写真をもう一度貼ります。畝の作り方を少し紹介したいと思います。

一番丁寧な畝の作り方は畝を作る予定の場所の四隅に杭を打ち、そこに糸を貼ってその中につくると言う方法です。今回僕は上記の方法が面倒くさかったので、畝の中心にだけ杭を打ち後は感覚で畝を立てました。
写真を見てもらうと畝の両端に杭が見えると思います。
この杭は竹を割って作った杭です。下の写真のように鉈でコンコンとやるとパカッと割れます。だいたい六分割にします。

杭を打ち込む予定の場所に下穴を掘っていきます。
杭間が130センチに設定しました。畝幅は一列植えで60cm~75cmぐらいを想定しています。通路幅も同じぐらいになる設定です。二列植えの場合は90cm~110cmくらいでしょうか。

穴には石ころで埋めモノをします。適度なところまで杭を打つことができます。

写真のように石ころが引っ掛かってくれています。

130センチ幅で5本ずつを埋め込みました。これを目印に畝を立てたというわけです。多少ずれていますがご愛敬です。
最後に今現在のイチゴちゃんについてもご紹介します。
葉っぱが赤くなっています。これは季節的に仕方がないことだと思って見ていたのですが、お隣の畑をみると緑の葉っぱのイチゴがたくさんあります。どうやら原因は雨の泥はねで葉っぱが汚れてしまっているからと推測して、藁で泥はね防止のマルチをしました。

お隣の畑では皆さん黒マルチを張られています。
黒マルチには泥はね防止、地温をあげる効果、表土の乾燥を防ぐ効果、雑草を生やさないなど様々な効果があり、いまや菜園の必需品になっています。
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