top of page
最新記事
​特集記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。

障子の張り替えパートⅡ

先日障子の張り替えのご依頼があり、行ってきました。

※注意

かなりの長文になります。ご注意ください。

・道具紹介

・前の障子紙を剥がす工程

・新しい紙を貼る行程

・霧吹の仕上げ

以上の順番でご説明していきます。

お子さんが破った障子は悲惨な状態になっていました。私も小さい頃に破った記憶があります。

〔道具の紹介〕

今回利用した道具の中でおススメは障子用のカッターと糊ボトルです。以下その道具を使う段階で詳細を記載しています。

一つ謝らなければならないことがあります。

前回、誰でもできてすごく簡単とご紹介しましたが、障子紙によっては難易度が上がることが解りました。今回使った障子紙は2枚で1,000円で、前回の5倍ほどのお値段がします。お値段が示す通り、分厚くて丈夫で、断熱効果やUVカット効果なども付加されているのですが、その影響で糊の染み込みが悪く、カッターで切る際もかなり切りにくかったです。不安な方は慣れるまで安い障子紙で練習をした方がいいかもしれません。張り替えるごとに障子紙の質をあげていくことをおススメします。

〔前の障子紙を剥がす工程〕

実は障子の張り替えで一番時間のかかる行程です。

今回は熱湯をバケツに入れ、それを雑巾に含ませて枠のみを濡らしていくやり方

お風呂場で大胆に洗ってしまうやり方

上記2パターンで剥がしました。

それぞれメリット、デメリットを箇条書きにしてみます。

〔枠だけのメリット〕

・綺麗にはがれるので気持ちがいい。

・ゴミがまとまっているので後片付けが楽。

・枠があまり濡れないので張り替えの工程に早く移れる。

〔枠だけのデメリット〕

・枠に溜まった埃などを別に洗い落とさなければいけない。

・前回張り付けた際の糊が枠に残っていて、気になる場合はブラシなどで洗う必要がある。

・室内なので床などに水が落ちると別途掃除しなければならない。

〔お風呂場のメリット〕

・水はねに気を配らなくていい。

・枠などの汚れや糊などもまとめて洗える。

〔お風呂場のデメリット〕

・細かいゴミが散らかる。特に濡れて細かくなった障子紙は掃除が大変。

・枠がかなり濡れてしまうので、乾くまで張り替えができない。

・枠の真ん中の十字に重なっているところの接着剤も溶けてしまい、枠が外れる。後で外れた枠を接着剤で付け直さないといけない。

・お風呂の配管を詰まらせる可能性がある。(今回は排水溝に網を貼って流れた障子紙を受け取りました。)

〔結論〕

おススメは枠だけを濡らす方法です。スピーディに張り替えの工程に移ることができるからです。ただ、張り替え前の障子紙がビリビリであったり、かなり汚れていたりする場合はお風呂場でやった方がいいかも知れません。また、お風呂場でやった方がゴミなどがきれいに取れるので仕上がりは綺麗です。

※専用の剥がし液がホームセンターで売られていますが、お湯で充分はがれます。

〔新しい紙を貼る行程〕

張り替えはテーブルの上で行いました。新聞紙で養生します。床もした方がいいかもしれませんが、うまくやればあまり床まで汚れることはありません。

まず洗った障子枠を置いて、糊づけしていきます。この時に糊ボトルが役に立ちます。

昔は良く刷毛塗りをしていたと思いますが、刷毛塗りは糊の溶かし具合や扱いが難しく、また、ぽたぽたと刷毛から垂れて周りを汚すなどデメリットが多いので、このボトルを使うのがおススメです。

写真のようにスーと糊を出して、指で伸ばしていきます。伸ばさなくても貼れるのですが、なかなか均一に糊を塗っていくことは難しいと思うので、出しすぎたところは少ないところに指で補充してあげます。

糊をつけたあと障子紙を転がして貼っていくのですが、今は仮止めテープが12枚(2回分、1回につき6枚)付属していますので、始めをまず固定します。

ピンと張りながら奥まで転がしたら、この状態で先に押さえていきます。先に撒いている筒から切り離してしまうと、クルクルと戻ってしまうので、先に押さえます。ここでポイントは真ん中あたりからまんべんなく抑えていくことです。端から押さえていくと抑え終わりの部分がシワになってしまいます。

ある程度抑え終わったら、障子が撒きついている筒から切り離して仮止めします。

仮止めしたら長辺の真ん中あたりからすべての隅を爪などで押し込みしっかりと圧着します。切るラインが分かるぐらいまで抑えます。

短辺は仮止めシールを剥がしながら抑え込んでいきます。

最後にいらない障子紙をカッターで切り離すのですが、この時に丸刃の障子用カッターがすごく有能です。普通のカッターで切った場合、濡れているところを切るのでうまく切れません。カッターの先に紙が引っ掛かりせっかくビシッと抑えた紙が歪んでしまいます。最悪の場合そこから破れてしまいます。

このカッターをご利用の際は丸刃の腹の部分を押しつけるようにして切ります。

※実際に切っているシーンの写真を撮り忘れてしまいました。

前回同様貼り終わったら、霧を吹きかけ天日干しします。できるだけ晴れた乾燥した日にやることをお勧めします。

前回の安い障子紙であればかなりシワが伸びたのですが、今回の高い障子紙は乾く際の収縮率がいまいちでした。こういったところも難易度が上がっていると感じました。

以上、少し細かく障子の張り替えを解説させていただきました。

皆様が障子の張り替えをされる際に、少しでもこの記事がお役にたてば幸いです。

また、貼り方を実際に教えてほしい、張り替えてほしいといったことがございましたら、お気軽にご連絡ください。お待ちしております。

以上

bottom of page